ペットの遺骨はどうする?手元供養とメモリアルグッズの選び方

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ペットの供養に、決まった形はありません
火葬を終えて、遺骨が手元に戻ってきたとき、多くの飼い主さんが「このお骨を、これからどうすればいいのだろう」と迷います。
人の供養には宗教や地域のならわしがありますが、ペットの供養には、こうしなければならないという決まりはありません。だからこそ迷うのですが、裏を返せば、ご家族の気持ちや暮らしに合った形を、自由に選んでよいということです。そばに置いておきたい、土に還してあげたい、身につけていたい。
どの気持ちも正解です。この記事では、供養の選択肢とメモリアルグッズの選び方を、ひとつずつお伝えします。すぐに決めなくても大丈夫ですので、心が落ち着いてから、ゆっくり考えてください。
遺骨の供養、主な選択肢
まずは、どのような供養の方法があるのか、全体を見てみましょう。ひとつに絞る必要はなく、あとで組み合わせることもできます。
| 供養の方法 | 特徴 |
|---|---|
| 手元供養 | 自宅に置いて、いつもそばで見守れます |
| 霊園や納骨堂に納める | お参りの場所ができ、ていねいに供養してもらえます |
| 樹木葬 | 樹木のそばに納め、自然に還す形で供養します |
| 散骨 | 海や思い出の場所に、粉状にした遺骨をまきます |
| 自宅の庭に埋める | 自分の土地であれば、身近な場所で供養できます |
手元供養という選び方
近年もっとも多く選ばれているのが、遺骨を自宅に置いておく手元供養です。
すぐに手放すことに抵抗がある方や、いつもそばで見守っていたい方に向いています。賃貸住宅にお住まいでも取り入れやすく、引っ越しのときも一緒に連れて行けるのが安心です。
骨壺や骨袋を選ぶ
手元供養の基本になるのが、遺骨を納める骨壺です。陶器のもの、真ちゅうなど金属のもの、木でできたものなど、素材はさまざまです。
最近は、一見すると骨壺とは分からない、インテリアに自然に馴染むデザインのものも増えています。大きさは、すべてのお骨を納める大きめのものから、一部だけを納める小さなものまであります。
置く場所や、全部を納めるか一部にするかを考えて選びましょう。湿気を防げる、ふたのしっかりしたものがおすすめです。
ペット仏壇やメモリアルステージ
骨壺や写真を置く場所として、ペット用の仏壇やメモリアルステージを用意する方もいます。
人の仏壇のような重々しいものではなく、写真立てとお花、お供えを置ける小さなステージのような、明るくおしゃれなデザインが人気です。
リビングの棚の上や、その子がよくいた場所のそばに置いて、毎日声をかけられる小さな居場所を作ってあげると、気持ちのよりどころになります。
身につけるメモリアルグッズ
いつも一緒にいたいという気持ちから、遺骨や遺毛を身につけられるグッズを選ぶ方も増えています。外出のときもそばにいる感覚が持てるのが、こうしたグッズの魅力です。
遺骨アクセサリーやメモリアルジュエリー
ごく少量の遺骨を納められる、ペンダントやリングといったアクセサリーがあります。中に遺骨を納めるタイプのほか、遺骨や遺毛を加工して宝石のように仕上げるメモリアルジュエリーもあります。
日常的に身につけられるよう、シンプルで上品なデザインのものが多く選ばれています。肌身離さず持てることが、大きな安心につながります。
遺毛や写真を使ったグッズ
遺骨だけでなく、生前に取っておいた毛や、お気に入りの写真を使ったグッズもあります。毛を納めたロケットや、写真をプリントしたクッションやキーホルダーなど、形はさまざまです。火葬の前に少しだけ毛を取っておくと、こうしたグッズを作ることができます。まだ迎える前の段階であれば、元気なうちに毛や肉球のあとを残しておくのもよいでしょう。
分骨という考え方
お骨のすべてをひとつの方法で供養する必要はありません。一部をアクセサリーにして身につけ、残りは骨壺で手元に置く。あるいは、一部を手元に残し、残りを霊園に納める。このように、遺骨を分けて別々の方法で供養することを分骨といいます。
分骨は、けっして悪いことでも、その子に失礼なことでもありません。それぞれの家族が、それぞれのそばに置いておけるという意味で、心の支えになる方法です。家族が離れて暮らしている場合にも、選ばれることがあります。
外に納める方法
手元に置くのではなく、供養の場所を作りたい、自然に還してあげたいという場合は、次のような方法があります。お参りできる場所ができることで、気持ちに区切りがつく方もいます。
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| ペット霊園や納骨堂 | お参りの場所ができ、管理や供養を任せられます |
| 樹木葬 | 樹木のそばに納め、自然に還す形で供養します |
| 散骨 | 粉状にして海や山にまきます。マナーや場所の確認が必要です |
散骨をする場合は、遺骨を細かく砕く必要があり、まく場所にもマナーや配慮が求められます。専門の業者に依頼すると、こうした手続きを任せられて安心です。人と一緒のお墓に入れたいと考える方もいますが、その可否は墓地によって異なるので、事前に確認してください。
選ぶときのチェックポイント
グッズや方法を選ぶときは、次の点を目安にすると、自分に合ったものを見つけやすくなります。
| 確認したいこと | 見るポイント |
|---|---|
| 置き場所 | どこに置きたいか、大きさは合うか |
| 全部か一部か | すべてを納めるか、分骨するか |
| 湿気への強さ | ふたや素材が、湿気を防げるか |
| 暮らしとの相性 | 引っ越しや来客のときも無理がないか |
ペット霊園や納骨堂を選ぶときのポイント
霊園や納骨堂に納めることを考えるなら、いくつか確認しておきたい点があります。まず、自宅から無理なく通える場所にあるかどうかです。お参りを続けたい場合は、距離が大切になります。
次に、個別に納めるのか、ほかの子と一緒の合祀になるのか、そして、あとから遺骨を取り出せるのかも確認しておきましょう。管理費が毎年かかるところもあるので、費用の仕組みも聞いておくと安心です。
実際に足を運んで、雰囲気や手入れの様子を見てから決めると、納得して任せられます。長くお世話になる場所ですから、あせらず、心から安心できるところを選んでください。
宗教やお経は、必要なのでしょうか
ペットの供養に、特定の宗教のやり方に従う必要はありません。お寺で供養してもらう方もいれば、宗教とは関係なく、自分たちなりの形で見送る方もいます。どちらも間違いではありません。
手を合わせる、名前を呼ぶ、好きだったものをそなえる。その気持ちがあれば、それがあなたとその子にとっての供養です。形式にとらわれず、いちばん心が落ち着く方法を選んでください。もし宗教的な供養を望むなら、ペットの供養に対応しているお寺もありますので、相談してみるとよいでしょう。
遺骨は湿気とカビに気をつけて
手元供養をする場合に、意外と見落としがちなのが湿気の問題です。火葬したお骨は湿気を吸いやすく、そのままにしておくとカビが生えてしまうことがあります。
ふたのしっかりした骨壺に納め、風通しのよい場所に置くこと、そして直射日光や水まわりを避けることが大切です。乾燥剤を一緒に入れておくと、より安心です。大切なお骨を長くきれいに保つために、置き場所には少し気を配ってあげてください。
供養は、残された家族の心のためでもあります
供養というと、亡くなった子のためのものと思いがちですが、じつは、残された家族の気持ちを整えるためのものでもあります。
手を合わせる場所があること、話しかけられる存在があることが、悲しみをやわらげ、日々の暮らしにそっと寄り添ってくれます。立派なものを用意する必要はありません。お気に入りの写真とお花を飾るだけでも、りっぱな供養です。
つらい気持ちが続くときの向き合い方については、ペットロスの記事でもお伝えしていますので、あわせてご覧ください。
供養を始めるタイミングに、決まりはありません
人の供養では四十九日などの区切りがありますが、ペットの供養には、いつまでにこうしなければという決まりはありません。
火葬のあと、すぐに納骨する方もいれば、何年も手元に置いてから、気持ちの整理がついたときに納める方もいます。どちらも正しい形です。まだ手放したくないと感じるなら、無理に区切りをつける必要はありません。あなたの心が「そうしたい」と思えたときが、その子にとってのちょうどよいタイミングです。
焦らず、ご自分の気持ちに正直に決めてください。人からせかされても、あなたのペースで大丈夫です。
供養にかかる費用の目安
供養の方法によって、費用は大きく変わります。手元供養は、選ぶグッズによって幅があります。あくまで目安ですので、実際の金額は各サービスで確認してください。
| 方法 | 費用の目安 |
|---|---|
| 骨壺 | 数千円から2万円ほど |
| ペット仏壇やメモリアルステージ | 数千円から3万円ほど |
| 遺骨アクセサリー | 1万円から5万円ほど |
| 納骨堂や霊園 | 数万円から |
| 散骨の代行 | 2万円から5万円ほど |
すべてを残せないときの、粉骨という方法
遺骨をすべて手元に置いておくのは場所を取る、けれど手放したくもない。そんなときは、遺骨を細かい粉状にする粉骨という方法があります。
粉にすることでかさがぐっと小さくなり、小さな骨壺やアクセサリーに納めやすくなります。散骨をする場合にも、この粉骨が必要になります。専門の業者に依頼すれば、ていねいに粉骨してもらえます。自分の手で行うことに抵抗を感じる方も多いので、無理をせず、任せられるところは任せてください。
粉状にしても、その子であることに変わりはありません。納めやすい形に整えてあげる、というくらいの気持ちで大丈夫です。
これからのことも、少しだけ考えておきましょう
手元供養を選ぶときは、少しだけ先のことも考えておくと安心です。
引っ越しをするとき、お骨は一緒に連れて行けます。ご自身が高齢になったときや、いずれ手元での供養がむずかしくなったときに、最終的にどうするかを、心の片隅に置いておくとよいでしょう。
たとえば、そのときが来たら霊園に納める、自分と一緒に供養してもらう、といった選択肢があります。いま決めておく必要はまったくありませんが、ゆくゆくの道筋をぼんやりとでも思い描いておくと、あとで迷いが少なくなります。
写真や思い出も、大切な供養のかたちです
供養は、遺骨にまつわるものだけではありません。いっしょに撮った写真をアルバムにまとめる、思い出を日記に書き留める、その子が好きだった場所を訪れる。
そうしたことも、りっぱな供養です。形あるものが手元になくても、その子を思い、感謝する気持ちそのものが、いちばんの供養になります。写真を見返す時間は、はじめのうちは涙がこぼれるかもしれませんが、やがて、あたたかい思い出をたどる時間へと変わっていきます。
無理に見ようとせず、見たくなったときに、そっと開いてみてください。
遺骨を家に置くのは、いけないことではありません
遺骨を長く家に置いておくと、その子が成仏できないのではないか、縁起が悪いのではないかと、心配になる方がいます。
でも、そんなことはありません。手元供養は、いまでは広く行われている供養の形のひとつで、いけないことでも、その子に悪いことでもありません。大切なのは、あなたが安心できて、その子を身近に感じていられることです。まわりから何か言われても、気にする必要はありません。
あなたとその子にとって、いちばん心の落ち着く形が、いちばんよい供養です。手放すことを急がなくても、ずっとそばに置いておいて、まったく問題ありません。心の準備ができたときに、次の形を考えれば十分です。
まとめ
ペットの遺骨の供養に、決まった正解はありません。そばに置く手元供養、身につけるアクセサリー、外に納める納骨や散骨など、方法はさまざまで、分骨して組み合わせることもできます。
大切なのは、あなたやご家族の気持ちに、いちばんしっくりくる形を選ぶことです。すぐに決めなくても構いません。骨壺やメモリアルグッズを選ぶ時間そのものが、その子との思い出をたどる、あたたかい時間になります。その子が、これからもあなたのそばで穏やかに見守ってくれるような、そんな形を見つけてあげてください。どんな方法を選んでも、そこに込めたあなたの愛情は、きっとその子に届いています。
急がず、あなたの心が納得できる供養を、ゆっくりと探していきましょう。その時間そのものが、その子との絆をあらためて確かめる、大切なひとときになるはずです。


