老犬・老猫の介護用品ガイド。負担を減らす選び方と使い方

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介護用品は「完璧」より「続けられる」を大切に
ペットの介護が始まると、あれもこれもそろえなければと気持ちが焦りがちです。でも、いちばん大切なのは飼い主さんが無理をしないことです。介護は数日で終わるものではありません。
頑張りすぎて疲れきってしまうより、便利な道具に少し頼りながら、お互いが穏やかに過ごせる形を作るほうが、結果としてその子のためになります。
ここでは、場面ごとに役立つ介護用品を、負担を減らす視点でご紹介します。
寝て過ごす時間が増えたとき
自分で寝返りが打てなくなると、体の同じ場所に体重がかかり続け、床ずれができやすくなります。床ずれは一度できると治りにくく、痛みも伴います。予防には、体圧を分散する低反発のマットや、介護用のクッションが役立ちます。数時間おきに体の向きを変えてあげることも大切です。丸めたタオルを背中に添えるだけでも負担は減ります。
寝たきりに近づいてきたら、通気性がよく体を清潔に保ちやすい介護用ベッドも選択肢になります。汚れても洗いやすいカバーのものを選ぶと、毎日のお世話がぐっと楽になります。
トイレの失敗が増えたとき
足腰の衰えや認知機能の低下で、トイレが間に合わなくなることがあります。粗相が増えても、どうか叱らないでください。その子自身もとまどっています。
こうしたときは、ペット用のおむつやマナーベルト、洗える防水シーツが助けになります。おむつはサイズが合わないと漏れたり嫌がったりするので、体格に合ったものを選ぶことが大切です。
お尻まわりの汚れをそのままにすると、皮膚のかぶれの原因になります。流せるウェットシートや、体を拭くための蒸しタオルを用意しておくと、清潔を保ちやすくなります。
足腰が弱ってきたとき
フローリングは、老いた足腰にとってすべりやすく危険です。転倒やケガを防ぐために、滑り止めのマットやタイルカーペットを、よく歩く場所に敷いてあげましょう。段差にはスロープを置くと、上り下りの負担が減ります。
自分の力で立ち上がりにくくなってきたら、体を支える歩行補助ハーネスが役立ちます。おなかや後ろ足を持ち上げて支えられるので、散歩やトイレのときに飼い主さんの腰への負担も軽くなります。
まだ歩ける子には、無理に使わず、必要な場面だけ支えるのがコツです。
食べる・飲むを支えたいとき
年をとると、下を向いて食べる姿勢がつらくなったり、食欲が落ちたりします。食器を台にのせて高さを出すと、首や足への負担が減り、食べやすくなります。自分で食べる力が弱ってきたら、やわらかい流動食や、口元に運びやすいシリンジを使う方法もあります。
水を飲む量が減ると、体調をくずしやすくなります。こぼしにくい形の食器や、いつも新鮮な水が飲める自動給水器を使うと、水分補給を助けられます。
ただし、飲む量そのものが急に減ったときは、体調のサインのこともあるので、動物病院に相談してください。
留守番と見守りを支えたいとき
介護中は、仕事や買い物でどうしても家を空ける時間があります。そんなとき、スマートフォンで様子を確認できる見守りカメラがあると、離れていても安心しやすくなります。
声をかけられるタイプや、部屋の温度がわかるタイプもあります。決まった時間にごはんを出せる自動給餌器と組み合わせると、留守中のケアの助けになります。
仕事と看病の両立については、看病と暮らしのカテゴリーでもくわしくお伝えしています。
夏の暑さと冬の寒さから守る
体温の調節が苦手になるシニア期は、季節の温度変化が体にこたえます。夏は、ひんやりするクールマットや風通しのよい寝床を用意し、エアコンで室温を一定に保ってあげましょう。
留守番中の室温が心配なときは、温度がわかる見守りカメラが役立ちます。冬は、ペット用のヒーターや湯たんぽ、あたたかい毛布で寒さから守ります。ただし、自分で動いて温度を調節しにくい子は、低温やけどに注意が必要です。直接肌に当てず、タオルで包むなどのひと工夫をしてあげてください。
移動や通院を楽にする
足腰が弱ってくると、動物病院への通院そのものが負担になります。抱きかかえずに乗せられるカートや、底のしっかりした介護用キャリーがあると、体への負担をかけずに移動できます。
車での移動が多いご家庭では、すべりにくいマットを敷いた専用のスペースを作ってあげると、揺れによるストレスが減ります。通院の回数が増えるシニア期こそ、移動を楽にする工夫が、その子にも飼い主さんにもやさしい備えになります。
選ぶときのチェックポイント
介護用品は、その子の状態と体格に合っているかがいちばん大切です。迷ったときは、次の点を目安に選んでみてください。
| 品目 | 選ぶときの目安 |
|---|---|
| 床ずれ対策マット | 体圧を分散でき、洗えるかどうか |
| ペット用おむつ | 体格に合うサイズで、漏れにくいか |
| 滑り止めマット | 洗えて、よく歩く場所に敷けるか |
| 歩行補助ハーネス | 支えたい部分に合い、着脱しやすいか |
| 見守りカメラ | 外出先から見やすく、暗い部屋でも映るか |
夜鳴きや徘徊が出てきたとき
年をとると、認知機能の低下から夜中に鳴いたり、同じ場所をぐるぐると歩き回ったりすることがあります。壁の角にぶつかってしまう子には、サークルやベビーゲートで安全なスペースを作り、角にクッションを当ててあげると、ケガを防げます。
円を描くように歩き回る子には、丸い形のサークルやプールのような囲いが向いています。夜鳴きがつらいときは、我慢せず動物病院に相談してください。生活のリズムを整える助言や、やわらげる方法が見つかることがあります。
用品をそろえる前に、動物病院にも相談を
介護用品は便利ですが、その子の状態に合っていなければ逆効果になることもあります。
たとえば、まだ自分で歩ける子に歩行補助を使いすぎると、かえって足の力が衰えてしまうことがあります。何を、どの段階で使うのがよいかは、かかりつけの獣医師に相談すると安心です。体の状態を診てもらいながら、必要なものを必要なだけ取り入れていきましょう。
飼い主さん自身のケアも忘れずに
介護は、体力も気持ちもすり減るものです。眠れない日が続いたり、気持ちに余裕がなくなったりするのは、あなたが一生懸命だからこそです。
ひとりで抱え込まず、家族で分担したり、ペットシッターや老犬ホームのデイケアといった外の手を借りたりすることも、立派な選択です。飼い主さんが倒れてしまっては、その子を支えられません。あなた自身をいたわる時間も、どうか大切にしてください。仕事との両立に悩んだときは、看病と暮らしの記事も参考にしてみてください。
まとめ
老犬や老猫の介護用品は、床ずれ、トイレ、足腰、食事、見守りといった場面ごとに、負担を減らす道具を少しずつ取り入れるのがおすすめです。
すべてを一度にそろえる必要はありません。その子の様子を見ながら、困りごとが出てきたものから用意していけば十分です。道具にじょうずに頼ることは、飼い主さんが笑顔でそばにいられる時間を守ることにつながります。

