犬や猫の体にしこり・イボを見つけたら。良性と悪性の見分けと受診の目安

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しこりやイボを見つけたら、まず落ち着いて
愛犬や愛猫の体をなでていて、しこりやイボを見つけると、腫瘍ではないか、悪いものではないかと、不安でいっぱいになります。まずお伝えしたいのは、あわてず、けれど放置もしない、ということです。
犬や猫の体にできるしこりやイボには、心配のいらない良性のものから、注意が必要な悪性のものまで、さまざまなものがあります。そして、見た目やさわった感じだけで、良いものか悪いものかを、飼い主さんが正確に見分けることはできません。
この記事では、見分けの目安や、見つけたときにすること、受診の目安をお伝えします。大切なのは、早めに気づき、適切に対応することです。
しこりやイボは、シニアによく見られます
年をとると、犬も猫も、皮膚や体にしこりやイボができやすくなります。加齢にともなう、良性のイボやできものも多く、シニアの子ではめずらしくありません。
一方で、悪性の腫瘍も、高齢になるほど増えていきます。つまり、シニア期のしこりは、心配のいらないものも多い反面、注意が必要なものも含まれる、ということです。だからこそ、見つけたら自己判断せず、動物病院で診てもらうことが大切になります。良性か悪性かをはっきりさせておくことが、その子を守る第一歩です。
心配のいらないものと、注意が必要なもの
できものには、大きく分けて、良性のものと悪性のものがあります。それぞれの傾向を、次にまとめました。ただし、これはあくまで傾向であり、最終的な判断は検査が必要です。
| 良性の傾向 | 注意が必要な傾向 | |
|---|---|---|
| 成長の速さ | ゆっくり、または大きくならない | 短期間で急に大きくなる |
| さわった感じ | やわらかく、よく動く | かたく、皮膚や下と固着している |
| 表面の様子 | きれい、変化がない | 出血する、じゅくじゅくする、崩れる |
見分けの目安をチェックしましょう
受診の前に、そのしこりの様子を観察しておくと、獣医師に伝えるときに役立ちます。次の点を見てみてください。ただし、当てはまるからといって悪性と決まるわけでも、当てはまらないから安心とも言い切れません。あくまで、受診のための観察です。
| 観察するポイント | 見るところ |
|---|---|
| 大きさ | いつからか、大きくなっているか |
| かたさ | やわらかいか、かたいか |
| 動くか | 皮膚とともに動くか、固着しているか |
| 色や表面 | 色の変化、出血、ただれがないか |
| その子の様子 | 気にしてなめる、痛がる、元気や食欲の変化 |
自己判断は禁物です
ここで、いちばん大切なことをお伝えします。しこりやイボが良性か悪性かは、見た目やさわった感じだけでは、獣医師でも正確には分かりません。
小さくてやわらかいから大丈夫、と思っていたものが悪性だったり、逆に、大きくても良性だったりすることがあります。だからこそ、自己判断で様子を見すぎるのは危険です。とくに、急に大きくなる、出血する、といったものは、早めに受診してください。インターネットの画像と見くらべて安心したり、不安になったりするより、実際に診てもらうことが、いちばん確実で安心です。
動物病院で調べること
動物病院では、しこりを診察したうえで、必要に応じて検査を行います。
よく行われるのが、細い針を刺して細胞を取り、顕微鏡で調べる細胞診という検査です。体への負担が少なく、その場でできることも多い検査です。これで診断がつかないときは、組織の一部を取って調べる検査を行うこともあります。こうした検査で、良性か悪性か、どんな種類のできものかが分かり、治療が必要かどうかを判断できます。まずは診てもらい、必要な検査を相談してください。
見つけたときに、まずすること
しこりやイボを見つけたら、まず、いつ、どこに、どのくらいの大きさで見つけたかを記録しておきましょう。
大きさは、定規で測っておくか、写真に日付とともに残しておくと、変化を追いやすくなります。そして、気になっても、むやみに触ったり、つぶそうとしたりしないでください。刺激すると、悪化したり、その子が気にしてなめてしまったりすることがあります。そのうえで、動物病院を受診してください。記録があると、獣医師に変化を正確に伝えられます。
日ごろのボディチェックのすすめ
しこりやイボは、早く見つけるほど、対応の幅が広がります。
日ごろから、体をなでるついでに、全身をチェックする習慣をつけましょう。頭からしっぽ、足先、おなか、口のまわり、脇の下など、やさしくさわって、いつもと違うところがないかを確かめます。スキンシップをかねて行えば、その子もリラックスできますし、しこり以外の変化にも気づけます。毎日そばにいる飼い主さんだからこそ、小さな変化に早く気づけるのです。
老犬に多いイボについて
シニアの犬には、皮膚に、加齢にともなう良性のイボができることがよくあります。
小さな突起状のものや、ピンク色のもの、いぼ状のものなど、見た目はさまざまです。多くは良性で、経過を見てよいものですが、なかには注意が必要なものもあります。急に大きくなる、出血する、色が変わる、その子が気にしてなめる、といった変化があれば、受診してください。数が多い、大きくて生活の邪魔になる、といった場合は、取ることを検討することもあります。まずは、良性かどうかを確認しておくと安心です。
猫のしこりで、気をつけたいこと
猫の場合も、しこりを見つけたら、動物病院で診てもらうことが大切です。
猫は犬より、できものが悪性である割合が高い傾向があるとも言われ、より注意が必要です。とくに、乳腺のあたりのしこりや、注射をした部位のしこりには、気をつけたいとされています。猫は不調を隠すのが得意で、しこりを気にするそぶりを見せないこともあります。だからこそ、飼い主さんが日ごろのスキンシップで気づいてあげることが大切です。小さくても、早めに相談してください。
手術や治療について
検査の結果、治療が必要と分かった場合は、しこりの種類や場所、その子の状態に合わせて、手術で取り除く、薬で対応するなど、方法を相談していきます。
良性でも、大きくて生活に支障がある場合は、取ることがあります。高齢だからと治療をあきらめる必要はありませんが、手術には麻酔の負担もあるため、その子の体の状態や、生活の質を考えて、獣医師とよく相談して決めることが大切です。どこまで治療するかも含めて、その子にとっていちばんよい選択を、いっしょに考えてください。
治療費への備えも考えておきましょう
できものの検査や、手術、治療には、費用がかかることがあります。
シニア期は、こうした治療が必要になる場面が増えます。ペット保険に入っている場合は、補償の範囲を確認しておきましょう。ただし、加入前からあったしこりは補償の対象外になることが多いので、注意が必要です。これから備えるなら、シニアでも入れる保険を探す方法や、ペットのための貯金という方法があります。くわしくは、シニアでも入れるペット保険の記事を参考にしてください。
できものには、いろいろな種類があります
犬や猫の体にできるものには、さまざまな種類があります。
良性のものとしては、脂肪のかたまりや、皮膚の加齢性のイボ、袋状のできものなどがよく知られています。一方で、注意が必要な悪性のものもあり、種類はとても多く、名前や見た目だけで区別することはできません。
どの種類なのか、良性か悪性かは、動物病院での検査ではじめて分かります。場所や種類によって、様子を見てよいものか、早く取ったほうがよいものかが変わります。だからこそ、まずは診てもらい、そのできものが何なのかを知ることが大切なのです。
「経過観察」と言われたら
診察の結果、良性で、いまは様子を見てよいでしょう、と言われることもあります。
経過観察と言われたら、それは放置してよいという意味ではなく、変化がないかを見守る、ということです。大きさを記録し、写真を撮っておき、定期的にチェックしましょう。急に大きくなった、色が変わった、出血するようになった、その子が気にしてなめる、といった変化があれば、あらためて受診してください。経過観察は、飼い主さんの見守りがあってこそ、安心につながります。
早期発見が、いちばんの対策です
しこりやイボを、できないように予防することはむずかしいですが、早く見つけることはできます。
そして、悪性のものであっても、小さいうちに見つかれば、それだけ対応の幅が広がります。早期発見のためにできるのは、日ごろのボディチェックと、定期的な健康診断です。とくにシニア期は、できものが増える時期なので、意識して体をさわり、年に1回から2回は健康診断を受けておくと安心です。小さな変化に早く気づくことが、いちばんの対策になります。
不安なときこそ、まず診てもらいましょう
しこりを見つけると、悪いものだったらどうしよう、と不安で、かえって受診をためらってしまう方もいます。
でも、インターネットの画像と見くらべて、ひとりで不安をふくらませるより、実際に診てもらうほうが、ずっと確実で安心です。診てもらって良性と分かれば、心から安心できます。もし注意が必要なものでも、早く分かれば、それだけ対応できます。不安なときこそ、抱え込まず、動物病院を頼ってください。
治療と、生活の質のバランスを考える
できものが見つかったとき、すべてをすぐに手術で取ればよい、というわけではありません。
とくに高齢の子の場合、手術には全身麻酔の負担がともないます。良性で、その子が困っていないできものなら、様子を見るという選択もあります。反対に、悪性でも、その子の生活の質を保つために、あえて大きな治療をしないという選択をすることもあります。大切なのは、その子の年齢や体の状態、そして、これからをどう過ごしてほしいかを考えて、獣医師とよく相談し、その子にとっていちばんよい方法を選ぶことです。正解はひとつではありません。
日ごろのスキンシップが、いちばんの見守りです
しこりやイボの早期発見に、特別な道具はいりません。毎日のスキンシップこそが、いちばんの見守りになります。
なでたり、ブラッシングをしたりするときに、全身をやさしくさわって、いつもと違うところがないかを確かめる。それを習慣にするだけで、小さな変化に早く気づけます。触れ合う時間は、その子にとっても、飼い主さんにとっても、安心できるひとときです。健康チェックとスキンシップを兼ねて、毎日その子の体に、そっと手を当ててあげてください。
よくある質問
小さくてやわらかいので、様子を見てもよいですか
小さくてやわらかいものは良性のことも多いですが、見た目だけでは判断できません。とくに、大きくなってきた、出血する、といった変化があれば受診してください。変化がなくても、一度診てもらって、良性かどうかを確認しておくと安心です。
イボはつぶしたり、取ったりしてもよいですか
自分でつぶしたり、糸でしばって取ったりするのは、絶対にやめてください。悪化したり、感染したり、その子が痛がったりすることがあります。取る必要があるかどうかも含めて、動物病院で相談してください。
まとめ
犬や猫の体にしこりやイボを見つけたら、あわてず、けれど放置もせず、動物病院で診てもらうことが大切です。
できものが良性か悪性かは、見た目やさわった感じだけでは、飼い主さんには分かりません。急に大きくなる、出血する、固着している、といった変化は、とくに注意が必要です。見つけたら、大きさや場所を記録し、むやみに触らずに受診してください。日ごろのスキンシップで全身をチェックする習慣が、早期発見につながります。早く気づいて適切に対応することが、その子を守るいちばんの近道です。
しこりを見つけると、どうしても不安になりますが、ひとりで抱え込まず、まずは動物病院に相談してください。多くの場合、診てもらうことで、不安はやわらぎます。あなたの早めの気づきと行動が、その子の健康を、そして安心を守っていきます。しこりやイボは、シニアの子には、めずらしいことではありません。過度に不安になる必要はありませんが、放っておくのもよくありません。
見つけたら、記録して、動物病院で診てもらう。このひと手間を大切にして、その子と穏やかな毎日を重ねていってください。日ごろのふれあいこそが、その子を守る、いちばんの見守りです。

